自立援助ホーム Ohana
2026年9月、名古屋市熱田区に自立援助ホーム「Ohana」が開所します。家庭で暮らせない15歳から25歳の若者が、働きながら自立を目指すための家です。
「Ohana(オハナ)」は、ハワイの言葉で「家族」を意味します。血のつながりを超えて、共に生きる人たちを家族と呼ぶ言葉です。
私たちが開くOhanaは、名古屋市の委託を受けた自立援助ホーム(Ⅰ型)です。そしてOhanaには、もうひとつの特徴があります。隣に、私たちが6年間営んできたファミリーホームがあります。
そこで育った子どもが、18歳になったからといって、知らない場所へ移らなければならない——そうさせたくない。育った場所のすぐ隣で、これまでと同じ大人に見守られながら自立していけるように。それがOhanaを建てた理由です。
オンラインでのご寄付
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当法人は認定NPO法人等ではないため、いただいたご寄付は寄付金控除の対象にはなりません。
自立援助ホームとは
親の病気、虐待、さまざまな事情で、実の親と暮らせない子どもたちがいます。児童養護施設や里親家庭、ファミリーホームで育った子どもたちは、多くの場合、義務教育を終えて就職や進学をするタイミングで、それまで暮らしてきた場所を離れなければなりません。
親元で育った人なら、就職してからもしばらくは実家に居られます。朝起こしてもらい、洗濯をしてもらい、うまくいかない日には話を聞いてもらいながら、少しずつ社会に出ていきます。けれど社会的養護のもとで育った若者は、その助走期間を持たないまま、ひとりで社会に出ていくことになります。
自立援助ホームは、そのはざまを埋めるための場所です。制度上は、義務教育を終えた15歳前後から20歳前後(やむを得ない事情がある場合は20歳以降も)の若者が、働きながら、あるいは学びながら、職員と一緒に暮らし、自立の準備を整えていく、国と自治体の制度に位置づけられた児童自立生活援助事業です。Ohanaでは、措置延長を含めて15歳から25歳の若者を受け入れることを想定しています。
施設概要
- 施設名
- 自立援助ホーム Ohana
- 所在地
- 名古屋市熱田区
- 事業
- 名古屋市委託・児童自立生活援助事業(Ⅰ型)
- 建物
- 木造3階建て(延床 約165㎡)
- 定員
- 6名(15〜25歳を想定)
- 構成
- 入居者居室6室+宿直室1室+事務室、2階に共用のLDK・キッチン・浴室
- 事業開始
- 2026年8月1日
- 開所
- 2026年9月
- 運営
- 一般社団法人ラフテル
若者ひとりひとりが自分の部屋を持ちます。そして2階の22帖のリビングとキッチンで、職員や仲間と一緒に食卓を囲みます。
ひとりになれる場所と、誰かと居られる場所。その両方があることが、この家の設計思想です。
Ohanaは開所の日に6室すべてが埋まるわけではありません。若者を迎えるのは一人ずつです。家具も入居に合わせて1室ずつそろえ、その子のための部屋として整えていきます。
設立への思い
代表理事の松原悟は、2015年10月から里親として子どもたちを養育してきました。2020年7月にはファミリーホームを開設し、養育里親としての11年間、ファミリーホームとしての6年間で、これまでに40人以上の子どもを我が家に迎えています。
我が家に来る子どもたちは、親の病気や虐待など様々な原因で実の親とは暮らせない子どもたちです。今、実の親として暮らせないということは、この先も実の親としては頼れないということだと思っています。
我が家で生活する里子ちゃんたちが成長するにつれ、彼らの将来のことを思い描くようになったとき、社会的養護を経験した若者の生活保護受給率は同年代(15歳〜24歳)の約18倍〜19倍という分析が厚生労働省から発表されていることを知りました(※)。つまり、社会的養護のもとからうまく自立ができていないということです。
親元で暮らしている子どもなら、就職してからも、朝起こしてもらったり、洗濯掃除をしてもらったり、お弁当を用意してもらったり、悩んだときには励ましてもらったり、背中を押してもらったりしながら、少しずつ自立していくものだと思います。しかし、社会的養護のもとで育った子どもたちは、就職したら今まで生活していた施設や里親宅を離れて生活しなければなりません。実の親の支援を受けられない子どもたちが、一人で自立していくのは難しいと思います。
ファミリーホームラフテルにも、社会への自立を数年後に控えた高校生がいます。彼が社会へしっかり自立して一人前の納税者になれるよう、支援する必要があると感じています。しかも、これまで共に生活してきた父親、母親代わりである私たちが支援することが、彼らには必要だと感じています。だから、ファミリーホームの隣に自立援助ホームを建てて、彼らの自立のサポートをしたいと思っています。
里子ちゃんは、実の親と離れ離れになり、人と住みなれた場所という両面での喪失体験をしています。その心の傷を抱えたまま、我がファミリーホームに受け入れます。養育者として、傷ついた心を癒すために愛情をもって関わりますが、その心の傷が少しずつ癒えていくのには、長い年月がかかります。それは一緒に生活する中での肌感覚です。そんな喪失体験を繰り返させたくない。我が家で育った子どもたちは、私の手でしっかりと自立するまで支援したい。そうすることで、彼らは喪失体験を繰り返すことなく、社会へ旅立ち、育った場所を「実家」として頼ることができるようになると思います。ファミリーホームと自立援助ホームのリソースを生かし、自立した後も、彼らの実家としていつでも受け入れられるような体制も作っていきたいと考えています。
法人のビジョンは「人と人がブドウのようにつながり合う、そんな素敵な社会」です。ロゴマークもぶどうの房をかたどっています。いろんな出自がある子どもたちが、ぶどうの房の一粒ずつのように、みんなでつながりあっていくためには、それぞれが少し柔らかくなる必要があります。自分なりの心に固執することなく、周りの人のことを考えることで、心の柔軟性を育て、「家族」として自立後もずっとつながっていけるような関係を作りたいと思っています。
社会的養護の子どもたちにとって、やっと見つかった安心安全の住処を離れ、自立していくことはとても不安なことだと思います。その不安をできるだけ安心に変えてあげたい。失敗してもいい。躓いてもいい。失敗したら、羽休めに帰ってきたらいい。そんな場所を作りたいと思っています。
里親からファミリーホームへ、そしてOhanaへ。11年かけて広げてきた「家族」の、次の一歩です。
一般社団法人ラフテル 代表理事 松原 悟
※ 永野咲・有村大士「社会的養護措置解除後の生活実態とデプリベーション—二次分析による仮説生成と一次データからの示唆—」(2013年)。同数値は厚生労働省 社会保障審議会「生活困窮者自立支援及び生活保護部会」第19回(2022年8月24日)資料4において、「社会的養護のもとを巣立った人たちは同年代(15歳から24歳)の18〜19倍の生活保護受給率となっている」として提示されています。
お問い合わせ
自立援助ホーム Ohana
TEL:052-750-3930
E-MAIL:info@kodomolaughtale.or.jp
